昔のトイを久しぶりに見かけて、妙に欲しくなることってありませんか?
このブログでは私が集めた子供の頃に遊んだトイや欲しかったトイたちを紹介していきたいと思います。
掲載第一号はバンダイから2000年ごろに発売されていた競技用ロボットトイ「VARSX-ヴァーズエックス」です。シリーズ名称のVARSXは-Variable Action Robot System Xtreme-の頭文字を取ったものです。
![](https://toylabo.wordpress.com/wp-content/uploads/2017/05/dpp_6308.jpg?w=700&h=467)
V-01改ダークランサー
中学生の頃購入したV-01アントライカーを改造した機体。何年か前に押入れを整理した時、トイ関係は随分処分してしまったのですが、このマシンは気に入っていたので残していました。
![](https://toylabo.wordpress.com/wp-content/uploads/2017/05/dpp_6309.jpg?w=683&h=1024)
最大の特徴はノーマル機よりも大きく拡張され、強力な武器にもなるロングアーム。
![](https://toylabo.wordpress.com/wp-content/uploads/2017/05/dpp_6311.jpg?w=700&h=467)
そしてもう一つの特徴がタイヤです。これはワイルドミニ四駆のタイヤを改造して取り付けたもので、これによって正規の機体とは比較にならないグリップ力を獲得しています。VARSXの競技ではグリップ力は非常に大切です。その理由は後述。
![](https://toylabo.wordpress.com/wp-content/uploads/2017/05/dpp_6310.jpg?w=700&h=467)
金色のアンテナ状のパーツはLEDで発光するイルミナシステムというオプションパーツです。市販のものは銀色ですが、これは競技会の優勝商品として発売前に頂いた特別仕様のもの。・・・と言っても運営に関わっていたバンダイの社員さんがエアブラシで塗装して用意されていたようですが。
VARSXのゲーム方法は、Vコンテナと呼ばれるアイテムをマシンに搭載されたアームによって確保し、自分の陣地に持っていくとポイントという形式で行われます。
Vコンテナはマシンに一つ付属する他、別売りの三個セットと、バトルシミュレーターに付属するものがあります。
![](https://toylabo.wordpress.com/wp-content/uploads/2017/05/dpp_7006.jpg?w=700&h=467)
シルバー・・・通常版。
オレンジ・・・オプションのVコンテナセットに付属。三個中一つがオレンジです。
ブルー、レッド・・・バトルシミュレーターに付属。
![](https://toylabo.wordpress.com/wp-content/uploads/2017/05/dpp_7007.jpg?w=700&h=467)
コンテナは積み上げる事ができ、上級ルールでは競技のスタート時には一部重ねた状態で置かれているため、そのまま確保すると一気に高得点になります。色違いのコンテナで点数を分ける場合もあります。
![](https://toylabo.wordpress.com/wp-content/uploads/2017/05/dpp_7008.jpg?w=700&h=467)
Vコンテナにはこの他に、大会の景品として作られたゴールド、シルバー、カッパーの三色の物があります。こちらは非売品で、大会の優勝者のみに配布されたものです。
![](https://toylabo.wordpress.com/wp-content/uploads/2017/05/dpp_7009.jpg?w=700&h=467)
我が家には2セットあります。どちらも競技会で勝ち取ったものですが、確か景品がオリジナル商品になったのは後のほうで、最初は普通の商品や発売前の商品の詰め合わせだったと思います。
とても希少なものだと思いますが、残念ながら市場的にVARSXの価値は皆無に等しい扱いなので、値段はつかないでしょう。
オークションでもネットでも見た事がないですし、展開の規模と競技会の開催期間を考えても数えるほどしか出回っていないのではないかと思います。
先述の通りこのダークランサーは、一号機の「V-01アントライカー」を元に改造した発展型です。
アントライカーには正式な発展機である「ライノライカー」という機体があるのですが、これはその発売よりも前に、大会での経験を元にカスタマイズを繰り返して完成したもので、当時大会では無敗の強力な機体でした。
主な改造箇所はホイールをグリップ力の強いものにしていることと、アームの延長です。アントライカーでは基本的に一個、ライノライカーでは二個確保することのできたVコンテナを、この機体では三個確保できるようになっています。
また、ルール上妨害が認められているため、グリップ力のあるタイヤを装備することで、コンテナを確保した後に対戦相手を場外に押し出して妨害という戦術が可能でした。
![](https://toylabo.wordpress.com/wp-content/uploads/2017/05/dpp_7010.jpg?w=700&h=467)
三個のコンテナを一気にリフトアップ!
強力な機体でしたが、反面非常に扱い辛く、自在に操るには馴れが必要でした。
そもそもベースとなったアントライカーは高速ギアボックス+フラットタイヤを組み合わせた高速タイプの機体で初心者には扱い辛く、ダークランサーに関してはそれに加えてモーターの強化による操作の難しさ、アームの延長による取り回しの悪さが加わり、慣れない人には操作性は最悪だったようです。
もしマシンが二台手に入ったなら、体験してもらいたいのが対戦です。
公式ルールでは、バトルフィールドの中心にコンテナを置き、後ろ向きで待機。スタートの合図でコンテナを回収→自分のゴールへ運ぶとポイントになります。
この時、コンテナは一度はアームで持ち上げなければポイントになりません。つまり、弾いたりアームで押しただけではポイントにならないわけです。
![](https://toylabo.wordpress.com/wp-content/uploads/2017/05/dpp_915_r.jpg?w=700)
白熱のバトル!!
使用するコンテナが一個の場合は制限時間60秒で、コンテナを回収すると1勝となります。3ゲーム行い、先に2勝したほうが勝ちです。
複数のコンテナを用いる場合は、それに応じて制限時間を増やしていきます。また、他のコンテナと違う色のコンテナを用いて、色ごとに点数を設定する場合もあります。
ルール上妨害も認められています。自分がポイントしてから、相手のコンテナ回収を邪魔し、時間切れを狙うのも戦略の一つです。むしろこっちのほうが白熱したりします。
公式戦では、橋や凸凹を設置した、より操作性を求められるフィールドもありました。4か所に陣地があり、4人での対戦を想定したものです。これが楽しくて楽しくて…もう出来ないのが残念でなりません。
手軽にロボットコンテストのようなバトルが楽しめるので、是非二台入手してこの楽しさを味わってもらいたいです。いつか自分に子供ができたら、こういうトイで物を作る楽しさと動かす感動を伝えたいと思います。VARSXのようなトイがこの先の時代も開発されていくといいですね。
VARSXは以下の基本型の3種とその発展型(&カラーバリエーション)三種の全部で6種類が発売されていました。
基本形
V-01アントライカー
V-02ピクティブ
V-03ボアファング
発展型&カラーバリエーション
V-01Sライノライカー(強化パーツエクステンションアーム同梱)
V-02Sスコルピオブースト(強化パーツエクステンションアーム同梱)
V-03sグレイブゲイター(強化パーツなし)
この他、より性能に特化したタイヤや金属製のナットなど、いくつかのカスタマイズパーツがリリースされています。
また、当時の記事を見ると、通常のアントライカーがリフトに乗ってしまうほど巨大なアントライカーの写真がありました。恐らくイベントか何かで参考出展されたものだと思います。発売されれば面白かったでしょうが、値段は結構なものになったのでしょうね。
そしてそれらとは別に、発売されなかった幻の機体が一機あります。
それはタイアップを行っていたコミックボンボンで連載されていた漫画版では最後の敵として登場し、特集記事で実機も一度だけ掲載された、「ガレオランサー」という機体です。
アームは一本角を突き刺して持ち上げる独特のスタイルで、悪役風のデザインで格好よかったのですが、その記事を最後にVARSXはシリーズ終了となってしまい、恐らく試作品であったガレオランサーもお蔵入りとなってしまったのでした。
その後バンダイ、トミー、タカラの三社の合同プロジェクトである「ロボカップトイズ」という企画で、アントライカーの設計思想を受け継いだサッカーマシンのフィールドコマンダーという機体が発売されましたが、定価4,980円と高価で、2カラー1種類のが発売されたのみで、シリーズは終了してしまいました。
当時アントライカーが定価2500円。子供が買うには少し高いですが、もっと上手く宣伝していけば売れたような気もします。リサイクルショップなどで半額以下で見かける事もあるので、興味を引かれたら一度手に取ってみてはいかがでしょうか。組み立て式で、子供と一緒に楽しめると思います。